猟犬を連れて、チームで山に入って獣を追う、猟友会の人たちです。
泰阜に来たときから、話は聞いていたものの…なかなか実際には、という機会がありませんでした。
なので、今回は色々と話を聞くことができました。
狩猟には、いくつかの免許があるそうで。
まずは、猟銃免許。
三年に一度更新で、取得には運転免許のような感じのテストがあります。そして、前科のあるような犯罪者がいないかどうかを親戚筋まで調べられるんだそう。もちろん、免許なので狩猟中は携帯することと、もし万が一山で落としたら、草の根を分けてでも探せ!とのこと。この冊子の中には、銃弾や火薬の譲渡記録なども書かれています。
ちなみに、銃弾一発はだいたい400円なんだとか。
規約もいっぱいあります。
猟銃は、鍵のかかるところに保管しなければならない。
人目に触れるようなときは、銃にカバーをかける。
銃口を人に向けただけで違反。
狩猟中は、蛍光の黄色とオレンジの猟友会専用ジャケットを着て、オレンジの帽子をかぶり、とにかく目立つ格好をすること。
などなど・・・。
これは、多分私でも取れるみたいです。しかるべき講習(と、テストもあったかな?)を受けると取得できます。
ただ、困るのは「罠にかかった獣はまだ生きている」ということ。これは村内でよく聞きました。
鹿くらいなら、ポカッと…で済むようですが、そうでない場合が多いらしいです。
で、そのために猟銃の免許も取得して一思いに一発で…というケースもあるようです。
狩猟免許というものもあります。
これは、毎年11月15日に狩猟解禁となるのと合わせて取る免許。猟銃免許とこの免許を合わせて持っていないと、狩猟はできません。
ちなみに、この免許はワンシーズンのみ。11月15日から翌年2月頃までの狩猟期間が過ぎれば、返納しなければなりません。
殺生はしたくないけど、作物の獣害が本当に深刻。村の人口よりも、獣の数のほうが多いと聞きます。なので、最期は苦しませずに…という配慮をしながら狩猟を行っているんだそうです。
私も、東京にいた頃は「狩猟で獣を殺すなんて」と思っていましたが、泰阜に住んでみて考えが変わりました。
確かに、殺生はしたくない。
でも、本当に獣が増えすぎてしまって、道で出くわすなんて当たり前。お年寄りの皆さんに聞けば、「昔は滅多に見なかった」そう。山であっても、ほとんど見たことがなかったそうです。
でも、今は里に下りてきて、畑の物を食べて、労せずとも食料が手に入ることを覚えてしまった。
集落訪問に行くと、「作っても、みんな獣にやられるからなあ」とのセリフは、本当にたくさん聞きました。私たちも、せっかく作った蕎麦畑を全滅させられたし。
共存していくため、人の自身の生活を守るためにも、狩猟は必要になってきているのかもしれません。
余談ですが・・・。
車で獣をはねてしまった時、大体車はヘコみます。だけど、獣相手の場合は村から修理費が出ません。落石に当たった場合は出ますが…。
そうそう。
先日、明島地区の畑で作業していたら、足跡を見つけました。私の手袋と並べて撮ってみましたが・・・。
これは、まさか熊??
かなり大きい足跡ですが…近隣に大型犬を飼っているって聞いたこともないし。
そういえば、この時期に我が家から200mほど坂を下った交差点に、熊が二頭出たとの村内無線が流れたことも。
冬眠してるんじゃないの???
ともかく、夜に一人で歩くと、「変質者より獣が怖い」ってよく聞きましたが…ホントに怖いです!
最近は、一人で竹薮で作業、ということもあり、熊鈴をつけて山に入ってます。